島崎藤村の「夜明け前」を読んで



(木曽路はすべて山の中)という書き出して始まる作品です。

昭和4年に書かれた最後の長編小説です。書くのに、7年の歳月が掛かっています。
我が国の歴史文学の代表作との評価があります。
主人公(藤村の父)・正樹の30年間の歴史を辿りながら。背後にその時代全体の流れをくんでいる。

藤村は馬籠に生まれ10歳で東京に遊学してこの小説を書くまで故郷に帰っていない。

小説の発想は姪のこま子(次兄の次女)との危険な、恋愛関係にが生じ妊娠を告げられフランスに3年間滞在している時です。
自己の血を遡ってみれば、運命の根源として父の意味を発見したこと・善かれ悪しかれ