74、「狭き門」(ジッド)は恋の難しさ描く

「狭き門」 ジッド 山内義雄訳 新潮文庫
昭和29年7月30日発行
ー日野原重明さん、お気に入りさんのもとさんの特に、お奨めの本なので、読んでみようと思い読んだ。最初は面白くなかったが、後半、ジェロームとアリサの関係の複雑さに注意をひきつけられた。俄然リアルな印象を深くした。恋の結末は厳しきものなり、と今回も感じた。
ーわたしがここに物語る話は、わたしがそうした生活を生きんがために全力をつくして、そして、わたしの精根がそれに傾けつくされたところのものなのだ。
 ヴオーテイエ牧師は、たしかに思うところあってのことだろう。瞑想のための引用句として、力を尽くし