天智天皇の和歌

秋の田の仮庵(かりほ)の庵(いほ)の苫(とま)をあらみ わが衣手(ころもで)は露にぬれつつ

私の解釈

どうしてこのような、他愛のない歌が百人一首の一番に載せられたのか不思議に思っていたが、ふとひらめいた。これはメタファー。ほんとうの意味は、乙巳の変をはじめとした強引な権力奪取、確立の過程で行った野蛮な行為に対する複雑な思いを歌ったもの。仮庵は中大兄の住まい。雨が降ると、あちこち雨漏りで、それを直すこともできないような貧困に比べ、蘇我は輝くばかりの栄華にある。邸宅どころか、大寺院さえ次々と建立している。このような富の不公平を目の当たりにして許しておくこ