「多くの日本人が憧れる上高地、その物語」

上高地は神々しい別世界です。険しい山々をバスで根気よく登り、最後の長いトンネルを抜けると、いきなり眼前に穂高の連峰が広がり、梓川と大正池が夢幻のような盆地を作っているのです。

昔は神垣内と書いたり、神河内と呼んでいたそうですが、とにかく神々しい景観なのです。日本のどこにでもある谷川の風景とは全く違う神秘的で、そしてロマンチックな景観なのです。
以前は梓川沿いのバス道も無く、神河内に入るには北アルプスの徳合峠を越えて、この別世界へ降り立ったのです。苦しい山越えの後で見たこの夢幻的な景観に人々は桃源郷を連想したのです。極楽浄土を連想したのです。

明治の始