蘭亭序の行方

 三燈随筆1992年10月刊に「蘭亭序の行方」陳瞬臣著が載る。

 史上、芸術作品をお墓まで持っていった例だ。唐の太宗~649年は名君だが、王義之の蘭亭序を陸墓に埋めさせた。
太宗は収集家で最も欲しかった蘭亭序を、王義之の7代孫智永禅師が会稽の永欣寺で死後、門弟辨才に三度召して所望した。だが辨才は、師没後行方知れずと応じなかった。
太宗は蕭翼を会稽に派遣しその機略で、辨才に気を許させ、梁上に隠した蘭亭序を見せた。
辨;どうだ参ったか‼
蕭;(一目みて)なかなかよくできた搨書ですな‼
…と言った。搨とは模写意味、太宗は搨書人を抱えていた。辨は蕭に搨書と云