旅の好きな君へ
君がもし古都を訪ねたいと思うなら
高山へ行くといい
朝早く宮川に並んだ市を見物しながら
まだ俗化されてない飛騨を知ることができるだろう
~ 以下略 ~ (昭和47年11月)
高山へは岐阜から特急で二時間とちょっと。
飛騨の渓流を右手に見下ろしながら高山本線を北へ進むと、とある所で平野を急カーブするのに気づく。と同時に何かいっぺんに解放されたような錯覚に陥ってしまう。
平野といっても、今まで山と川に挟まれた部分ばかり走っていたものだから、急遽眼前に開けた平地をそう呼ばずにはいられなかったのかもしれない。
連載:心に残る旅 2