113、「女文士」(林真理子著)は真杉静枝の生きざま描く

「女文士」 林真理子著 新潮文庫 
平成10年11月1日発行
ーこの小説は、以前に、2016年5月28日読了とあり、今回、2020年9月11日読了したが、全くあらすじは覚えていなかった。小説は、読了しても数年経つと忘れるものだと思った。それと、この小説は終盤の展開が面白かった。厳しい現実を感じた。
ー24歳の元秘書の私を喪主のように扱い、告別式で弔辞を読む高見順に挨拶するように言われた。
 昭和29年の1月にイタリアから帰国した静枝を私は羽田に迎えた。
「真杉さんの着物の裾、見た?」
 静枝が倒れ込むように乗り込んだ隙にドアの前に立っていた私にささやいた