『みをつくし料理帖~夏天の虹~』

みをつくし料理帖 
 7作目です。

冬の雲雀…滋味重湯
忘れ貝…牡蠣の宝船
一陽来復…鯛の福探し
夏天の虹…哀し柚べし



前回で、心に決めたことを
小松原に伝える澪

澪を傷つけることないよう
最大の配慮を施した小松原


小松原(小野寺数馬様)は
このあと、幸せになれるんだろうか

もう二度と、澪の料理を口にしながら、
笑い合うときは来ないんだろうか


りうが優しい声で言う。

「恋を知って、澪さんの料理は変わりましたよ。」

「澪さんの料理には、祈りが籠っているんですよ。
 食べるひとの幸せを心から祈る、切ない祈りがね。」