連載:妄想爺やの徘徊日記

場末の路地にお地蔵さまが

妄想爺やの徘徊日記10

ある日、爺やが街なかを歩いていて、寄り道ではないが、たまたま入ったことのない通りにお地蔵さまがあった

30cmほどの石に、申し訳程度に顔や身体の輪郭が刻まれた、どちらかというと、出来栄えは稚拙なお地蔵さまだ

町内会の名の書かれた赤い前掛けを巻かれ、緑茶が入った湯呑に、みかん、りんごが1個ずつお供えされていた

爺やは、こんな近所にお地蔵さまがあるとはと、当地の住民でありながら、まだまだ知りえなかった物もあったんだと、そのお地蔵さまに、初めて手を合わせた

爺やの歩いていて周る街なかには、石の観世音菩薩が1体ある

高校入試、