連載:倭人伝の真実に迫る

35. 倭人伝の方向は 目的地か出発方向か

最近、『邪馬台国は別府温泉だった』を読んだ。本書は短里で解読しており、これはよい。ただ、倭人伝記載の方向を「目的地の方向」と定義し、通説や私の「末盧国は唐津、伊都国は糸島地域」が否定されていた。ここは看過できないので、異議を唱えさせていただく。
 本書の狗邪韓国は私が考えた朝鮮半島南端の金海よりも少し西の馬山になっている。馬山から次は対馬となるが、対馬は馬山の東南に位置する。本書の定義に従えば、対馬は馬山の東南と倭人伝に記しているはずだが、そうはなっていない。紹熙本は下記である。
●(狗邪韓国より)始度一海千余里、至対海国(対馬)。
●(対海国より)又南