赤袋天津甘栗剥きやすし



 乾瓢や水引かけてお中元  村上鬼城

 紙伸ばし水引なほしお中元  高濱虚子

 中元のいつもの画なる団扇かな  水原秋桜子

 中元や西瓜どかんと熨斗もなく  大野則水

 お中元素麺木箱に詰められて  アロマ

 どら焼も虎焼きもきてお中元  飯島晴子

 亡き母の杖の長さの苧殻買ふ  樋口嘉江

  人形町夕べの苧殻買ひにけり  森本芳枝

  人散りて売れ残りたる苧殻かな  高濱虚子 

 約束の橋のたもとに苧殻焚く  中嶋秀子

 苧殻折る手力われに残りをり  文挾夫佐恵

 苧殻買ふ象牙の色の五六本  木田千女

 買ひ足して苧殻に重さ