石丸寛のブラームス

一日に三本もの映画を見ることなど、それまで無かった。

何もしたくない日、
何もできない日、
心が沈んでいる時、
石丸寛の死生観漂うドイツレクイエムが心に沁みた

指揮台に立つ指揮者の様相はさまざまだ
得意そうに、わざわざ大げさに振る人
愉しそうに、にこにこしながら振る人
あるいは、
聴衆を見限っているのか、
仕事と割り切っているのか、面倒くさそうに振る人

石丸は自身のレクイエムになるかもしれないと言って振ったという
その心情がそのまま演奏者の心と触れ合っているかのように、
音は決して派手ではなく、
静かに、落ち着いていて、それでいて、のびやかに演奏者