金木犀の香り纏って秋の路



 木犀やしづかに昼夜入れかはる  岡井省二 明野

 木犀も過ぎて靄立つ海の村  山口誓子

 木犀の香り仄かに匂い来る アロマ

 木犀や月の宴の西の対  村上鬼城

 歩み入る木犀の香と朝日の幅  大野林火 白幡南町 昭和三十二年

 降り積る砂金の如く金木犀  アロマ

 茶の水も木犀の香や寺の秋  馬場存義

 見上げたる金木犀の大樹かな  山口青邨

 金木犀こぼして雀雨宿り  飴山實 次の花

 緻密なる金木犀の花盛り  相生垣瓜人 負暄

 金木犀の香り纏って秋の路 アロマ

 夜の障子木犀の香のとどこほる  橋本多佳子

 飴色の月に