吸血鬼   佐藤亜紀

題名からしておどろおどろしい。

舞台は もうすぐ19世紀も半ばを迎えることになる ポーランドの田舎村。

ここに 村役人としてオーストリア政府から任命された官吏が妻と二人で赴任してくる。当時はオーストリアがチェコやポーランドなどの東欧諸国を支配していたようで この村役人もプラハ出身のユダヤ人らしい。

侘しい田舎道で馬車の車輪が壊れ 途方に暮れているところから物語は始まる。

始めから終わりまで この田舎村が舞台で 登場人物もすべてこの村人。

いかにも吸血鬼の出てきそうな設定で物語が進むが、オーストリアハンガリー帝国に対する反乱 抵抗運動みたいな動き