連載:タクシー日記

悪夢のような出来事

昨日市ヶ谷駅で泥酔しているお客が乗ってきた。
行先を尋ねたらろれつが回っていなかったのだが、3回目でやっと埼玉の小手指と聞き取れた。
とても住所など言える状態ではないと思ったので、駅でいいか尋ねたらいいと言う。
この人絶対熟睡するなという一抹の不安があったがとりあえず出発した。

駅に着いたらお約束通り熟睡状態。
何とか起こしたが意識がもうろうとしていてとても一人で帰せる状態ではない。
家まで送って行ってあげようと思い住所を聞くが言えそうもない。
何か免許証とか住所の分かるものを持っていないか尋ねるが、財布をまさぐっているだけで一向に出そうとしない。