踏切に遮断機降りてバス止まる



 単線の客車に一人冬の海  今田利子

 単線の古びし駅舎布団干す  添野光子

 山陰の単線に一両列車来る アロマ

 地の果てに鉄路の消えて雲の峰  徳永敬二

 稚内鉄路の終の月見草  加瀬美代子

 鉄路直に信濃追分のをとこへし  及川貞

 踏切に遮断機降りてバス止まる アロマ

 鶯餅鉄路の雨はややしぶく  友岡子郷 遠方

 翡翆のかすめし鉄路梅雨の中  百合山羽公 故園

 流し場の乾き九月の鉄路沿ひ  右城暮石

 岬への単線をどる花大根  林翔 和紙

 冬虹を外れて鉄路の曲りたり  右城暮石

 母の里鉄路青田の中を行き ア