寒造の素麺極上強い腰



 柿渋を塗りし手桶や寒造  阿部月山子

 かぐはしき湯気くぐりては寒造  三森鉄治

 あはれなるまでに米搗き寒造  後藤比奈夫

 さやさやと泡のつぶやく寒造  飴山實 花浴び

 寒造り千石桶に雲満ちて  品川鈴子

 暁に蔵唄きこえ寒造  松尾静子

 酒米の冴えたる白さ寒造  水谷たつ子

 水を揉むことよりはじめ寒造  石川優

 赤煉瓦煙突四角寒造  右城暮石 天水

 雪厚き蔵の閂寒造り  及川貞 夕焼

 寒造里(かんずり」の辛さ麹や柚子の香と  アロマ

 蔵に湧く伏流水や寒造  加藤和大

 蔵唄にもろみつぶやく寒造り  細井清