それを 誘った勇樹こそ人生で最高に輝く 道に突き進むことになる希望の門を くぐった瞬間でもあった…

由梨子は棚から1枚のCDをとりだして
ステレオセットにかける...

愛の挨拶、エニグマ変奏曲
ジュピター、威風堂々・・・

心洗われるような美しい
イギリス音楽、そして東方チェコにとび

ドヴォルザーク「ユーモレスク」
がながれだした...

この曲がリヴィングルームの
おしゃれな家具調度品
インテリアによく似合うのに

びっくりしながら勇樹は
ソファで心地いい音楽に身をゆだねる…

とそのとき

居間のドアが開き
小柄な少年がはいってきた

「おかえりなさい! ケンちゃん」

「あ、先生!」

「ひさしぶり、元気そうだね」

13歳、思春期に片足をい