連載:心の歌

赤鼻のトナカイ


暮れも差し迫ったある日君と買い物に出かけた
町はクリスマスソングにイルミネーションが踊る
駐車場を歩きながら呟くように君が言った
「赤鼻のトナカイって寂しい歌ね」
「どうして?」
「だって彼は一年に一回しか褒められないんだよ」
「そうだね」
「あとはみんなに笑われて過ごすんだから」
「でもさ、一年に一回でも必要に思われる」
「他の誰も代わる事が出来ない彼の能力なんだから」
「笑ってる者たち誰もが出来ない素晴らしい能力だと思うよ」
「そうかな」
「そうだよ笑いたい奴には笑わせとけばいい」
「自分の出来る事を精いっぱいやる、それって素敵だよ」
君はにっこり