余寒の日夜空の星が美しく



  妹と叔父に手紙を書き投函

  夜空の星が美しい

  冷え込みも心地よい程度だった


 チャルメラの音透き通りゐる余寒  大橋晄

 エレベーター余寒の空気分ち合ひ  内山照久

 錠剤の掌のくぼすべる余寒かな  門伝史会

 ライターの炎の揺るる余寒かな  小山紫乃布

 余寒の日夜空の星が美しく  アロマ

 釣鐘に籠る余寒や街の音  根本公子

 水底に日溜のある余寒かな  岩垣子鹿

 余寒なおボルシチ煮込むあと五分  鶴濱節子

 鍵穴を探す余寒の夕間暮れ  細川コマヱ

 甘酒に若狭の余寒言ひ合へり  田中佐知子