【日本昔ばなし】奈良漬け

昔むかし大和の国に平助と言う百姓がいて、瓜の塩漬けを試しに酒粕に漬けてみると、それはそれはたいそう美味しい漬物ができたそうじゃ。

平助はその漬物を大和の瓜漬けとして売りに出すと、大評判となりたちまち売り切れたそうじゃ。
そしてその後も噂が広がって、大和街道の平助の店は大繁盛したそうじゃ。

しかしある年の激しい干ばつで、畑の瓜が全滅したそうじゃ。
平助は困ってしまい、仕方なく畑の芋を塩漬けにして、酒粕に漬けたそうじゃ。
見た目と味は瓜漬けとあまり変わらなかったので、平助はそのまま店に出して売ったそうじゃ。

しかし材料が芋だったので、それを食べた街道の