西股総生氏著「東国武将たちの戦国史」から ❶長尾景春と太田道灌

上記の2武将と同年代の東国戦国武将には山内顕定、扇谷定正、長尾忠景、足利成氏などがいるが太田道灌以外はその知名度は低いだろう。彼らが東国戦国史の劈頭を飾ったのだ。北条氏康、武田信玄、上杉謙信のビッグ・ツリーはその後に満を持して登場する。

長尾景春と太田道灌は軍事的天才である。長尾景春の登場は文明8年(1476年)の長尾景春の乱である。関西では応仁の乱の頃だ。この時代の関東を知るには鎌倉公方と関東管領を避けては通れない。要は関東の将軍と管領の関係だ。鎌倉公方には足利氏、関東管領には上杉氏(共に源氏)が世襲した。

享徳3年(1454年)鎌倉公方、足利成氏