永遠の悪夢

  今年もあの日の悪夢が甦る。
生きている限り、私たちはあの日を忘れないだろう。
しかも、今年はあれから10年目のメモリアルデーだ。

 2011年3月11日。
押し寄せ、膨れ上がり、黒い波の壁が町や民家や道路
をのみこみ、木々や電柱をなぎ倒していく巨大津波。
報道番組には日々さまざまな被災者の姿が映し出される。

 瓦礫と化した街の風景。
黙々と行方不明者を捜索し続ける自衛隊員。
海に向かって涙する人たち。
慟哭、絶望のうめき声をあげながらも静かに現実を
受け入れていく人たち。

 私がこの惨状を目にしたのは、遠い関西の自宅の
TVだった。
東北は私の