人生の詰んだ少女達

 相沢沙呼の「教室に並んだ背表紙」を読了した。著者はミステリー作家で、2009年「午前零時のサンドリヨン」で第19回鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしている。本書は、中学校の図書室を舞台とした、同級生達との関係に違和感を覚え、生きづらい学校生活を送る少女達の揺れる心を描いた、青春小説の連作短編集である。
 「その背に指を伸ばして」:中学生で読書が好きな佐竹あおいは、図書委員をしているため、放課後はいつも図書室で読書している。というより、引っ込み思案の彼女は、教室に居場所がなかったのだ。ある日、クラスメイトの三崎に「皆とはキャラが違う」と言われ、あおいの心