31  木暮荘物語(三浦しをん) 読書感想


この本は、今までの「三浦しをん」の小説のスタイルをとってはいるが、いささかドギツク、特別な感覚と思考の持ち主を書き表しているように思えた。小暮荘の住人を1人ひとり取り上げ、その短編が寄り集まり、小暮荘に住む人たちとして、1つのまとまりを見せている。

・「シンプリーヘブン」は、花屋に勤める繭という女性のところに、元カレと今彼とが鉢合わせし、同居する話である。

・「心身」は、小暮荘の大家である老人が、「セックス」を熱望し、老人の悶えを赤裸々に綴っている。

・「柱の実り」は、駅の柱に「男根」のような突起が成長し、これをきっかけにやくざと住人トリマーの美