「・・・・好きですね、あのシーン。私はそれまで、負の部分を出していく役というのが少なかったですから、こういう「過去を背負うった女」はやりがいがある、と感じたんです。苦界に身を沈めていた女のぬぐいきれない過去までは出させなかった、という思いがしますが・・・・、精一杯演じた満足感はありますね。
そして映画史に残るシーンが生まれた。
ワンカットおよそ3分、二二・六事件の首謀者として処刑される将校とその妻、薫・・・
夫婦の永遠の別れ――。
宮城 「許してほしい。君を妻にしたことを・・・・。 君を一人で残していくことを‥‥」
薫 「あなた、私は・・・・」 夫