連載:読書感想文

30、『「田んぼ」(鬼丸智彦作)と「冬の芝居一座」(中島利夫作)』小説2作が懐かしさあり

『「田んぼ」(鬼丸智彦作)と「冬の芝居一座」(中島利夫作)』(山梨文芸協会機関誌『イマジネーション』第18号(令和3年2月1日発行所収) 
「田んぼ」 鬼丸智彦作
ー真、小学5年。小4の妹の善美、小3の弟の勇。勉強好きの兄の哲、中学生。加賀美に家のある同じクラスの美子。
 台形の富士山、櫛形山、三千メートル級の白根の雪山。八ヶ岳、金峰山、甲武信ケ岳
 麦畑に6人(父、母、哲、真、善美、勇)が並ぶと、麦刈りははかどった。
「真君、ありがとう」と美子は目を細めて、グミの実を揺らせながら帰っていく。父、母、兄、僕、善美、勇の6人がこつこつと作業を続けて、1日が