ミャンマーを

「ビルマ」 と言っていた昔のこと。
隣国のタイのチエンマイから、トラックに乗って更に北方の山中に出かけたことがあった。
栽培が禁止されているケシの花畑が道沿いにあるような所。山を幾つか越えて一日歩けばビルマだ、と聞いた。
タイの秘境に暮らすカレン族の村が在った。
電気は届いていなかったな。
昼間でも薄暗い粗末な造りの小屋に、男達が数人、寝そべっている。
長いキセルを口に咥えていた。誰も話をしない。ただ寝ているだけだ。
アヘン、これが唯一の産業なんだ。
悪いものを見た、という思いでワシらはそっとその場を離れたものだった。

その数日後、そんな辺境から「軽井