「百寺巡礼」(五木寛之)―増上寺  読書メモ2

増上寺は、徳川家の菩提所。徳川家康が、江戸に転封になったとき、通過途中の増上寺に立ち寄り、ここを菩提所にしたという。地元の信仰を集める増上寺と深い関わりを持てば、江戸の人心をつかむ1つの手段になるだろうと、考えたようだ。家康の関東転封に、快く思わない関東の土豪も多くいたらしい。家康は、江戸を中心とし、埋め立てにより、中核都市を作り上げていったという。群馬・栃木、茨城・武蔵野などの土豪を圧力で、屈服させるのではなく、中核都市―江戸を新たに作ることで、関東の人心を集約しようとする考えを持っていたのは、なかなかの人物であったのかもしれない。
 戦国大名たちは、