「百寺巡礼」五木寛之  柴又帝釈天  読書メモ4

 柴又帝釈天は、日蓮宗の寺だという。「経栄山題経寺」が正式名称で、「柴又帝釈天」というのは、通称。帝釈天は、インドのバラモン教に現れる武将で、それが、仏法に帰依して仏の守護神となったという。京都東寺に、象にまたがる(半跏思惟像)帝釈天がみられる。

 柴又帝釈天の本尊は、日蓮が板に彫った帝釈天だったという。これを板本尊という。1799年、日敬上人(にっきょうしょうにん)が、荒廃した寺を再建しようとして、屋根裏から、板本尊を見つけたという。板本尊が見つかった日が、庚申(かのえさる)の日であったので、この日を縁日とした。この日に、眠らず、外出せず家で慎んでい