連載:茶道 母を想う

藤色ー母をふと思うー

今、藤の花盛り。
私の散策コースの折り返し点に、小さなお休み処にも、藤棚がある。

一息していると、ふと亡き母のことが脳裏に浮かんできた。
 母は藤紫。藤の花の様な紫色、明るくやわらかな色を好んだ。
 今、手元にある手ぬぐい、これは、母が茶道を稽古していて、表千家の教授の免状をもらった時に、当時三越でつくり皆様にお配りしたもの。
 今からもう70余年前であったかと思う。その手ぬぐいに藤紫を使っていた。
 しかし、母はどちらかと言えば気性は激しかった方。敢えて自分にはないものを憧れていたのか。
 
この手ぬぐい、私の懐紙入れと共に、お茶袋