夕茜藤の花房透かし見る



 白藤の揺れあふ下をくぐりけり  有賀昌子

 白藤の鬱と暮れゆく都心かな  坂上じゅん

 白藤の初々しさをかんざしに  松田和子

 裏庭の白藤にふれ下校の子  新堀満寿美

 白藤の梳きたる風に包まれて  大川ゆかり

 嗅覚を研ぐ白藤の長廊下  田村園子

 白藤にさみどりの風揺れやまず  谷田貝順子

 白藤や小道に月の匂ひ充つ  浜田はるみ

 藤房の記憶や母の袖袂  川端和子

 藤房に風の奏でを聞く思ひ  南敦子

 藤房の大揺れつづき日暮れけり  安斎久莫

 フラワーパーク彩る藤の花  アロマ

 藤房や忘れ