48、『殿様の通信簿』(磯田道史著)は、世代をこえた判断基準、超時代性をもとめる思想が、日本人の思想の根底にあると

『殿様の通信簿』 磯田道史著 新潮文庫
平成20年10月1日発行
ーはじめに
 戦国末期から元禄期に人物をとりあげる。
 「殿様の通信簿」というもの。『土芥寇讐記』という元禄期に書かれた書物。
 幕府隠密の「秘密諜報」で、公儀の隠密が探索してきた諸大名の内情を幕府の高官がまとめたもの。
 当時の大名243人の人物評価を載せた稀有な書物。
 水戸黄門。浅野内匠頭。大石内蔵助。
 
 徳川光圀ーひそかに悪所に通い、酒宴遊興甚だし

 中納言のことを、わざわざ黄門といった。
 お忍びができた。「悪所」とよばれる遊郭も、その出没先の1つで、光圀はあちらこちらの遊