夜叉・・・(創作詩)


夜叉の面の小道具を
朝の太陽の中から取りいだし
また雨の日は
その冷たい透明な液体の中から取りいだし
さあ、さあ、
一日の舞台が開くぞえ。


夜叉が私。
もちろん、この日の主役でござる。
そうせずにはいられない世の中でござる。
裸をさらけだすのはもうごめん。
化粧もいやなら
夜叉の面。
やはりこれが重宝でござる。


一日終われば面の下で
げっそりやつれた自分の顔。
見れば見るほどもの哀しい。


**********  雑感  **********

今月の上旬に読んだ本の中にあさのあつこさんの「夜叉桜」がある。
「弥勒の月」シリーズの一つだ。