「忘れられた巨人」カズオ・イシグロ 読書感想

 出だしは読みずらかったが、次第に全体が1つの方向に収斂していくのが見え、後半は、読み易くなった。
ブリトン人、アーサー王、サクソンの戦士、記憶の曖昧な老夫婦などが出てきて、どういう展開になるのか戸惑った。6~7世紀のブリテン島の物語である。

 記憶がすぐさま薄れていく村に住んでいた老夫婦が、遠く離れた息子の村に旅をしようと決意し、村を離れていく間に、道中、様々な問題が起こり、記憶が薄れていく理由が明らかにされていく筋立てなのである。

 イギリスの古代・中世については、ほとんど予備知識がなかったので、話の展開に追い付いていくイギリス人なら、ある種の