江戸にもあった「ガイドブック」

百万都市江戸には八百八町あり、庶民はどんな暮らしをしていたのか興味は尽きないが、今も変わらねぇが貧乏人は着る物も食べる物質素であったことは想像がおよそつく、だがカネを持っている者たちはそれなりに贅沢を味わっていたのは今も昔も変わりはしねぇ。

江戸の消費が活発になって行く過程で、頭のいい奴がいるもんで、1824年(文政7年)、上方の版元から、江戸の商店、飲食店などを紹介する『江戸買物獨案内』(今で言うガイドブック)が出版されたのだ。

これを企画・編集したのが中川五郎左衛門という人物で、おそらく世界でも初めての事だったろう、記載料を徴収し、料金に応じて広