雲海に突き出す冠雪富士の峰


 
 石段を登る七月の金丸座  深澤鱶

 七月の風鳴りにけりプラタナス  藤井美晴
 
 七月の鉄路葛原風の音  柳生千枝子

 七月の扉ひらかれ喜寿の朝  中野京子

 七月の月を上げたる神田川  神蔵器

 PTA七月発行の広報紙 アロマ

 七月の空を京都タワーまで  波戸辺のばら

 七月よ二人を悼む永・巨泉  須賀敏子
 
 紅花商人の家とて七月の雛飾る  能村登四郎

 月や駅の喫泉列なせり  木内美保子

 雲海に吸ひ込まれゆく夕日かな  田中よしとも

 一番機雲海抜けで航くコース  稲畑汀子

 雲海に波打際と