洗ひ水弾くくろがね茄子かな 池田美佐代
捥ぎごろと言ひたげ茄子の濃紫 鷹羽狩行
地方紙にくるまれ着きぬ長茄子 青山正生
冬日浴び名残りの茄子艶めけり 岡野ひろ子
茄子漬けて一と日の終はる厨仕事 塩千恵子
揚げ茄子の陶器の如き藍の色 斉藤裕子
天と地の恵みたつぷり茄子トマト 池田光子
楽しみは夫の植ゑたる茄子トマト 高倉恵美子
茄子漬の紺濃かりけり朝餉の膳 松本信子
油揚と茄子の煮物や多佳子の忌 石脇みはる
茄子炊いてホクホクと濃き醤油色 アロマ
あかつきの茄子の貴