南洲翁遺訓その❸

第7条は原文をそっくり載せる。
「事大小と無く、正道を踏み至誠を推し、一事の詐謀を用う可からず。人多くは事の指支ふる時に臨み、作略を用て一旦其の指支を通せば、跡は時宜次第工夫の出来る様に思へども、作略の煩ひ屹度生じ、事必ず敗るるものぞ。正道を以て之れを行へば、目前には迂遠なる様なれども、先きに行けば成功は早きもの也」

簡単に訳す。いつでも正道を歩み、真心で、人をだますような手を使ってはならない。多くの人は行き詰まったとき、どんな汚い手を使ってでもその場を切り抜けよう、そうすればあとは時の運でいろいろ工夫はできる、と思うだろうが、その使った手のせいで、必