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「オリンピックは誰のためと思っていたが」

オリンピックは一体誰のためにあるんだろうと思っていた。特に「無観客」が発表されてからは。

ただ新国立競技場で見たかった一人に過ぎないが、スポーツは自分でするのも楽しいし、見るのも、とにかく楽しい。


日曜日の昼間、卓球の男女ダブルスを見た人は多いと思う。水谷選手と伊藤選手が、ドイツチームと抜きつ抜かれつ、最後は大幅な点差を逆転しての勝利を掴み取った。

伊藤選手がサーブを打つ時の刺すような視線が、何度も画面にアップになった。こんなに真剣な表情は日常生活では滅多に見られない。

柔道も初めて真剣に見た。勝者も敗者も共に泣く。インタビューに答える選手も泣