背ビレだ。水面に沢山の背ビレが見える。
シニアが二人水面を覗き込んでいた。私も見た。車を停めた。
水色の作業着を着た男性がやって来て、ここに車を停めるなという。狭い水門の上だ。
渡り切り、道端に車を停めて戻った。
「何ていう魚ですか」
「ハクレンだよ」
バンと音がした。
「魚がぶつかる音だ」
そう言って男性の一人が反対側に行く。魚は川を遡りたくてコンクリートの堰にジャンプする。堰は高くて越えられず、落ちて来る。1メートル近くもある魚がぶつかる音は重量感がある。
「利根川を登って来るんだよ」
作業着の男性が言う。
「食べられるんですか」
「