食足りて寝足りてふかみゆく秋ぞ 杉山 岳陽
蟷螂よ野の国を行く昼の貨車 加川憲一
野分して蟷螂を窓に吹き入るる 漱石
音たてて翔びし津軽の蟷螂かな 新谷ひろし
蟷螂が片手かけたりつり鐘に 一茶
蟷螂のひらひら飛べる峠かな 岸本尚毅
蟷螂の反りかへり見る冬近き 山口青邨
草原に蟷螂を見る真昼かな アロマ
九月七日アラスカの雲すでに冬 河野静雲
廃船に日ざしまぶしく九月果つ 杉本苑子
由布院へ九月に親子三人で アロマ
九月果つしだれ紅萩瞳にぞ濃く 三橋鷹女
鯖うまくなりて九月や雨ばか