秋は遠くを見てくらすどびんの口 内田南草 秋は絡まぬ石切槌の二挺の音 川口重美 秋は日差し薄れて仄か夕 アロマ 秋は野に早し爼濡らすたび 神尾久美子 掌 秋はゆふぐれ対岸はニュー・ヨーク 遠山陽子 秋はいま露おく草の花ざかり 飯田蛇笏 山廬集 秋はまづ街の空地の猫じやらし 森澄雄 秋は街路樹の黄葉に感動す アロマ …
朝はにゅう麺 南瓜入り 昼はサーモン丼 スイーツに桃山 鬣に草の実つけて駒肥ゆる 田中浅子 子と犬と同じ草の実つけてくる 青谷小枝 木洩れ日に草の実雫輝かせ 稲畑廣太郎 神の手の伸びて草の実生れゆく 稲畑廣太郎 舞楽殿茅葺屋根の草は実に 池内結 初秋や荒草の実に日のぬくみ 井上淳子 セーターに草の実付けて午後散歩 アロマ …
食足りて寝足りてふかみゆく秋ぞ 杉山 岳陽 蟷螂よ野の国を行く昼の貨車 加川憲一 野分して蟷螂を窓に吹き入るる 漱石 音たてて翔びし津軽の蟷螂かな 新谷ひろし 蟷螂が片手かけたりつり鐘に 一茶 蟷螂のひらひら飛べる峠かな 岸本尚毅 蟷螂の反りかへり見る冬近き 山口青邨 草原に蟷螂を見る真昼かな アロマ 九月七日アラスカの雲すでに冬 河野静雲…
星空へ 舞い上りたる金木犀 伊丹三樹彦 暮れて歩く木犀の花季過ぎにけり 山口誓子 月光も木犀の香も分ちなし 相生垣瓜人 負暄 朝飯に木犀匂ふ旅籠哉 正岡子規 木犀 木もれ日に木犀匂ふ帰燕かな 角川源義 木犀がいきどほろしや土砂沙漠 渡邊白泉 木犀が佛身の如匂ふ時 相生垣瓜人 明治草 木犀が咲きかたつむり雨が降り 岡井省二 明野 山麓…