20数年ぶりに従兄弟に会いに、彼の那須の別荘へ行った。
親同士が仲が良かったせいで、子供の頃にいとこ達8人は、しばしば親に連れられて一緒に遊んだ。夏休みやお正月は泊まりがけだった。
その頃から従兄弟のＴはとても無口で、皆と一緒に遊んではいたが、あまり口を開く事は無かった。中学生、高校生くらいになると、皆で会っても話す相手は段々と決まって来て、何故か私はＴと話す事が多くなった。と言っても話すのは私ばかりで、彼は笑ったり相槌を打つばかりだった。

そんな彼に20数年ぶりに会う事になったのは、互いの母親が亡くなった事を人伝に聞いてからだった。
電話では懐かしい