思い掛けない時の対処法

電車に乗って本を読んでいる時に、途中の駅から乗って来た男性が座っていた私の前に立ち、網棚にバッグを乗せた。
その瞬間、ドスンと言う音と共に膝に置いていたバッグの上に水筒が落ちて来た。多くの人が使っている縦長のステンレスボトルだ。
私はヒーっと言う声にならない叫び声をあげ、男性は「すみません、すみません」と2,3回大きな声でハッキリと謝った。   
帽子を被っていた私は、数回頷き彼の顔を見ることはなかった。
手は水滴で濡れ、私はバッグの中に手を入れてハンカチで拭いた。

その後も私は読書を続けたが、手首が赤くなり始め、水筒は私の手首に当たってからバッグの上