連載:心の歌

9月の朝

9月の遅い朝

気が付くと蝉の声は途絶え

窓を開けると吹き込む風は心地よく

秋の衣に身をまとった雲がゆるやかに流れる

量販店の店先から花火が姿を消した

まだ昼間は暑いと言うのに

周りは皆秋化粧

隣の庭の芙蓉が咲いて久しい

この花が枯れるころはもうすっかり秋

庭に来る野良たちは夜な夜な恋のさや当て  

やがて来る厳冬の前の華やかな一舞台

木々の間を行く風の様に静かに時は流れ

こうして何気ない顔で季節は過ぎて行く

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