一湾の風ボサノバと黒葡萄 水野あき子
葡萄棚ただよう暮色濃く甘く 松井和恵
ひと房の密に結ばれ黒葡萄 黒澤登美枝
庭になる葡萄ひと粒おゝ甘い 松村光典
ぶだうもみぢワイン五六種試飲して 青谷小枝
沈みたる黒き葡萄のきららなり 山田禮子
秋の朝肌よみがえるマッサージ 陶山泰子
嵐山に煙のしみる秋の朝 五十嵐勉
梅干のひと粒秋の朝澄めり 伊藤一枝
鳩の声この頃聞かず秋の朝 田中藤穂
秋の朝一人の玉子割っている 中林明美
水桶の豆腐美し秋の朝 廣瀬新
秋