「空 蝉」の日記一覧

会員以外にも公開

早朝に暫し蝉鳴き目が覚める

 駅の灯のおよぶ一樹や夜の蝉 真塩実  油蝉鳴いてじりじり煩くて  アロマ  名刹の蝉の好きな木嫌ひな木 有山八洲彦  蝉のこゑに波動ありけり阿波縮羅(しじら) 雨村敏子  ハンカチの樹や蝉声のしきりなる 丸山照子  初蝉や火山灰土(シラス)の乾く切り通し 淵脇護  蝉声の一瞬の黙地震来るか  水原春郎  カナカナの優しき響きマッサージ  アロマ…

会員以外にも公開

秋の朝彼岸花の田瑞々し

 一湾の風ボサノバと黒葡萄  水野あき子  葡萄棚ただよう暮色濃く甘く  松井和恵  ひと房の密に結ばれ黒葡萄  黒澤登美枝  庭になる葡萄ひと粒おゝ甘い  松村光典  ぶだうもみぢワイン五六種試飲して  青谷小枝  沈みたる黒き葡萄のきららなり  山田禮子    秋の朝肌よみがえるマッサージ  陶山泰子    嵐山に煙のしみる秋の朝  五十嵐勉    梅干のひと粒…

会員以外にも公開

泰山木の幹に飴色空蝉が

 空蝉にあかときの風流れけり  井上春子  木洩れ日の空蝉包む静寂かな  田耕造  泰山木の幹に飴色空蝉が アロマ  掌に在るや否や空蝉かさと鳴る  林かよ  空蝉のべっ甲色に朝日受け  奈佐幸子  花の先空蝉止る富貴草  浅野恵美子  空蝉となりたることをまだ知らず  鷹羽狩行  明け方の空蝉樹の幹にいて アロマ  空蝉の琥珀の軽さ拾ひけり  市ヶ谷洋子  …

会員以外にも公開

八月の祭りの夜吾子とバス停に

 月のぼりつめ八月の大きな木  櫛原希伊子   朝の膳に向ふ八月六日晴れ  原 朋冲  八月の嵐稲光散乱す アロマ   松杉うらがは八月十五日  松澤昭 宅居  素麺を湯搔いて八月の昼 アロマ  桜貝は遺骨八月十五日  櫛原希伊子   椅子固しながき八月はじまりぬ  本村 蠻  橋渡り八月の森遠く見る  浅井 詔子   正門を出入り勤む八月は  森田智子   残酷な八月…