橋本健二「新・日本の日本の階級社会」

 本書は社会学者の書いた本であり、ジャーナリストが書いたセンセーショナルな本ではない。基本的に、官公庁の統計や社会調査データに基づき、分析を行なっている。データに基づいて丁寧に分析を進めていくので、少々まどろっこしい感はあるが、牽強付会なところはないので安心感もある。著者の分析によると、現在の日本には大きく5つの階層があり、資本家階層、新中間階層、労働者階層、アンダークラス、旧中間階層からなる。資本家階層からアンダークラスまでは経済的に序列関係にある。資本家階層は経営者、新中間階層は管理職やホワイトカラー、専門職、労働者階層はブルーカラー、マニュアル職、