「好いですね~」
この塔は余分なものがなく、実に簡素です。
見上げると、飛鳥の風が吹いてくるようです。
西岡常一さんなら
「飛鳥の工人たちは何が美しいか、よぅく知っていたんでっせ」
と仰るでしょうか。
幸田文さんなら
「色も落ち着いて、いい味になりましたね」
と仰るでしょうね。
法輪寺の三重塔は昭和19年、落雷焼失しました。
幸田文さんはたまたま住職さんと知り合い、物心両面で惜しみない協力をなさいました。
塔は昔の場所に、昔に儘の姿で復元されています。
嘘か誠か存じませんが…
「戦時中の金属回収令で避雷針を